「スタイリッシュに」という要望について考えるべきこと

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「スタイリッシュ」という要望について考えるべきこと

「スタイリッシュなデザイン」という言葉は様々なところで耳にしたり目にします。
普段は「カッコいい」とか「キレのある感じ」とかそういう意味合いで受け取って、そんな雰囲気が出るようにグラフィックを試行錯誤していますが、この「スタイリッシュ」という言葉について、私はニュアンスは伝わるけれど具体性がないように受け取ってしまいます。
何となく「カッコいい」という意味合いで「スタイリッシュ」という言葉が使われているようですが、そもそもスタイリッシュとはどういう意味合いなのでしょうか。

調べてみるとスタイリッシュとは「流行に合っている・粋な・洗練されている」という意味合いがあるようですね。
「今ふうな」とか「今どき」という解釈でも問題なさそうです。

ですが日本語として「スタイリッシュ」を使う場合、他の意味合いも持っている様な印象があります。
例えば「スマートな」「オシャレな」「スタイルのいい」という意味合いで使う方もいるので、表現がとても難しいです。

「スマートな」とか「オシャレな」と感じるものは、時代とともに変わっていきます。なのでいつまでも同じ方法で表現できるものではありません。
Webの業界で言えば、一般の方でもブログなどで情報発信が自由にできるようになった時代を「Web2.0」といいます。
この頃に流行ったボタンデザインは「ツヤツヤ」「テカテカ」した物が主流でしたが、現在では「フラット」なデザインが多くなりました。
グラデーションを使う時でも色合いの変化の度合いが薄くなった印象があります。一見すると単色に見えるけれど、よく見るとグラデーションがかかっているような、そんな印象です。
また写真に白枠と影を付けて角も丸くしたような表現も最近は見なくなったように思います。

このように時代と共に流行のデザインや、スタイリッシュなデザインは変化していきます。ですが個人の持つ「スタイリッシュな感じ」という感覚やイメージはそうではありません。
一人ひとり感性が違う様に、スタイリッシュだと感じる物のディテールが異なるんです。
なのでスタイリッシュな印象を求めている方に合わせて、スタイリッシュな雰囲気を考えなければなりません。
ですが一番重視すべきはクライアントではなく、これから作成するWebページや広告、雑誌などを見てほしいターゲットに合わせるべきでしょう。
制作を任されている担当者と、見てほしいと思っているターゲットに差があればあるほど、受ける印象が全く異なりますので注意が必要です。
年齢が異なれば普段から目にする物が変わりますし、今までに見たことのある物の量も異なります。普段見る番組やWebページを検索する単語も変わるでしょう。生活スタイルや考え方が異なればなおさらです。
制作者側で「すごくスタイリッシュだ」と思っても、ターゲットとしている人にとっては全く響かないデザインになっているかもしれません。

現在はフラットなデザインが主流になり、余計な装飾がなく、機能に着目して洗練する事が重視されているように感じます。
パソコンのキーボードを見てみると、以前はキーが盛り上がっていてゴテゴテしたようなものが多くありましたが、最近は薄いタイプが増えています。キーを押し込んだときに深く押さなくてもいいので、ソフトなキー入力ができますね。
私の持つ昔のタイピングイメージだと、「ガタガタガタガタ」とキーを押し込んで最後にエンターキーを「バシッ」と力強く入力するようなイメージがあるのですが、最近では静かに「タタタタタ」と入力してエンターキーもソフトに「カタッ」と入力するようなイメージに変わりました。静かに入力している方がスマートな印象を受けますね。
どんどん洗練されていくと、物理的なキーが不要となる時代がくるかもしれませんね。

と思って少し検索・・・既に製品化されていました。
よく考えたらスマートフォンではすでにキーレスで文字入力ができるのであまり不思議ではありませんね・・・

物理キーを排除した1枚ガラスの本格派――「透明ガラス製 タッチキーボード」
物理キーなし、驚きの軽さと薄さ YOGA BOOK

キーボードはそれなりの厚みが必要なので、タッチ式になればもっと薄くて軽いノートパソコンが作れそうです。
ガラス製のキーボードは透けていて、とても未来的でカッコいいです。

このキーレスになったキーボードを見て「カッコいい」と感じる人と、キーがしっかりついているキーボードを見て「カッコいい」と感じる人がそれぞれいるので、誰が見ても「スタイリッシュ」と感じる事のできるデザインを作るのは難しいのです。
制作担当者はキーのついがキーボードをカッコいいと感じる感性を持っているのに、ターゲットはキーレスのキーボードをカッコいいと感じる感性を持っている場合、そこにはギャップがありますよね。
発信側ではなく、受けてを重視したスタイリッシュなデザインを考えていきたいものです。

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