ネットショップの商品掲載の時、価格表示は要注意

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価格を間違えて掲載したらその価格で売らないといけないの?

ネットショップもだいぶ普及しました。Amazonや楽天といった通販サイトや、スマートフォンで手軽に購入や出品のできるメルカリなどのフリマプリなど、様々な方法でインターネットを通じて売買ができるようになりました。
特にスマートフォンの普及が大きく貢献しているのではないでしょうか?
電波が入れば、どこにいても簡単に商品を探して購入する事ができますし、移動時間や行列の待ち時間など、スキマ時間を使って買い物をする方もガラケーが主流の時代と比べると増えていますね。セキュリティ面の強化もあって、より安心してネットショッピングを楽しめるようになりました。

そんな便利なネットショッピングですから、ショップの運営者・販売業者の方も熱心に商品管理やカートへの登録を行っている方も多くいると思います。
その時に注意しておきたいのが「価格」です。
もちろん売れる為には商品の写真やセールスポイント、利用シーンや、実際の購入者のコメントなども重要ですが、それよりもまず、価格表示が間違えていない事が重要になってきます。
もしドンドン売れたらとてもうれしいですね。でも価格を一桁間違えてしまっていたら・・・売れるだけ赤字になってしまいます。

直ぐに間違いに気が付く事ができ、誰からの購入の申し込みがなければ、管理画面から価格を変更しておしまい・・・となりますが、もし購入の申し込みがあった場合はどうでしょうか?
価格を間違えて掲載していたから、元に戻したい。適正な価格を付け直したい。と思いますよね。
もしくは販売を拒絶したい場合もあるのではないでしょうか。

そうした時にお詫びして訂正した価格で納得してもらえればいいのですが、中には納得してくれない方もいますよね。
それでも間違えた価格で販売しなければならないのでしょうか・・・

売買契約が成立していなければ誤表記価格で販売する義務はない

「表示していた価格で買います」という申し込みに対して、お店が「その価格で売ります」という「承諾」をした時、売買契約が成立します。
契約が成立していれば、その後に価格を変更して請求しなおすのは難しいでしょう。
ですが契約成立前であれば、間違えて価格を提示していた旨と、変更後の価格をお知らせする事ができます。

但しこれは法的なもので、快く承諾してくれるかは別ですね。
その時は仕方なく購入してくれたとしても、次回からはそのカートを利用しないかもしれません。
将来の見込みやカートの信頼を落とす危険性があるので、価格を間違えて表示してしまっても大丈夫!と適当に登録しないように注意が必要です。
二重三重に確認し、間違えて提示する事の無いようにしましょう。

売買契約の成立タイミングはいつ?

対面販売であれば「お客:これください」「お店:はい1,000円です」「お客:わかりました1,000円ですね」と商品とお金のやり取りが目で見える形で行われます。
ここで「ちょっとまけてよ~」とか「オマケつけて」とか値切ったりするやり取りが挟まるかもしれませんが、売買契約のやり取りがリアルタイムで進むので、とても分かりやすいですね。
でもこれがネットショップになると、すこしわかりにくくなります。

「購入の申込み」は、ネットショップでカートに入れ、届け先などの情報を入れ、「申し込むボタンをクリック」する所までになります。
購入するという意思をお店側に示したタイミングになるわけですね。

お店側からの「承諾」は購入者のモニタ画面上や、利用しているメールサーバーに次のような文言が表示された時、販売の「承諾」の意思表示があったとされるでしょう。
「〇〇様 ご注文を承りました。商品の発送は×月×日となります。」
ここで注意したいのが、契約の成立時期はメールを受信したタイミングではなく、メールサーバーにメールが「到達」した時点となります。

ネットショップでは、注文の受付に対して、自動で返信メールが送信される物がほとんどです。
そのメールで「承諾した」と思われてしまいそうになりますが、そのメールに「承諾」を示すような文言がない場合、そのメールは購入の申し込みに対して、「あなたの申し込んだ情報はこのようになっていますよ」と控えになります。

注文後に間髪入れずに届くメールにはだいたい先頭に
「本メールは自動で送信される注文内容の確認メールです。購入の決済通知ではありません。当店にて在庫確認の上、改めてご連絡さしあげます。」
と入っていますね。
これは「承諾」の意思表示を後からしますよ。と書いてあるので、このメールを受け取ったからといって、売買の契約が成立したとは考えにくいです。

承諾の意思表示のタイミングはカートによってまちまちで、利用規約に「商品の発送メールをもって契約が成立したものとみなします。」などと記載されている場合もあるので、利用規約や特定商取引法に関する表記などを確認する事をおすすめします。

誤表記が錯誤による意思表示・売主に重大な過失がない場合も無効となる

先ほどは契約が成立する前のお話でしたが、契約成立後でも売買契約が無効となる場合があります。
それは誤表示が錯誤による意思表示にあたり、かつ、お店に重大な過失がないに該当するケースです。

・・・少し難しいですね
例えば本来は10万円の商品を間違えて1,000円と表示していた場合、もし価格を間違えていることに気が付いていれば、承諾をすることはなかったので、「誤表示が錯誤による意思表示」に該当します。

ですが、価格を間違えて表示させた過失はお店にあります。
価格の誤表記を防ぐ為には入力時に慎重に行えばいいだけですので、重過失がないと主張する事ができません。なので多くの場合は認められないでしょう。
これは売り主に重過失がある場合には認められないので、この理由で認められるケースはかなり限定的になるかと思われます。

例えば大型テレビや冷蔵庫など、市場価格が比較的明確になっているような製品で、市場価格よりも一桁安く価格を提示していた場合・・・
誰から見ても「安すぎる」「ちょっと変だな」と思いますよね。購入者が明らかに間違えている事がわかっていながら購入の手続きをしていたり、ネット掲示板などに価格の誤表記を指摘している書き込みを見て注文をしたことが明らかな場合はお店が錯誤無効を主張できる可能性があります。

まとめ

売買契約の成立前であれば、価格の訂正や購入申し込みのキャンセルが十分できます。
ですが、購入の意思表示に対して、販売の承諾を済ませた後に価格の間違いが発覚した場合は少し難しくなります。
誰から見ても明らかに間違えている事がわかる場合や、市場価格と比較して明らかに安すぎるような場合であればキャンセル処理が認められる場合が大半でしょうが、市場価格が分かりにくい商品は難しいかもしれません。

何にせよ、間違えて表示してしまうとトラブルの原因にしかなりません。
二重三重に確認し、間違いのないように、そして見た人が勘違いしないような表記をするように慎重に進める様にしましょう。

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